毎年恒例のBerliner Ostermarsch(反戦反核を訴える復活祭デモ行進)が、
4月21日(月)に行われました。この日は、復活祭の月曜日にあたり、 イースターの第2日で、祝日です。参加団体は先日の4.12反戦デモとほ
とんど同じです。参加人数も、イースター休暇で帰省中の人が多いにもかか
わらず約1万人と盛況でした(正式な発表がなかったので運営スタッフの仮回答)。
デモ行進は昼1時半から2時間にわたって、旧東ベルリン地区の大通りで行われました。
今回も道路は車両全面通行止めです。大がかりな警察の警備に加えて、救急車がデモ行進に同行していました。ベルリンでは集会などが大規模になることが予想されるときに、救急車が待機していることがあります。報道関係者も多く、テレビのインタビューなども頻繁に入っていました。
集合場所が小さな広場だったこともあり、出発地点での参加者数は2,000人程度の規模に見えました。しかし、街中を行進していくうちにいつのまにか人数が増えていました。シュプレヒコールがほとんどなく、大勢で同じ方向にただ歩いていくだけで、静かなデモ行進でした。ベルリンは一昨日に気温がマイナス2度まで冷え込み、昨日から20度を越す夏の陽気になったため、人々の気持ちとして屋外に出て散歩を楽しみたいというムードが感じられます。なによりも復活祭の最中なので、「闘う」という雰囲気がありません。デモ行進の後、到着地点で開かれた集会の内容も、威勢のいい演説はそこそこに、韓国、トルコ、パレスチナ、ギリシャなどの民族舞踊や合唱が披露され、参加者が喜んでいました。各国の舞台公演の合間に、それぞれスピーチがあったのですが、その中で今回初めて「反戦」に並んで「反グローバリゼーション」という論点が明言されていたのが印象に残っています。
集会が行われた広場は、地元住人の社交場でもあり、周りでは普段どおりに椅子や机を持ち込んで宴会を始める家族や、子どもや犬を遊ばせる家族連れが目立ち、参加者も夏のような陽気に誘われるようにビールやアイスクリームを手にしていました。ソーセージ屋には2時間ほとんど途切れることなく行列ができていました。警官も報道関係者もやはり並んで買っています。
舞台で踊っているパレスチナの若者の顔から笑みがこぼれるとき、たくさんのカメラがいっせいにシャッターをきっていました。「反戦」という言葉だけでは表現しきれないメッセージを参加者は感じ取っていたと思います。
2003年4月21日 ベルリンから 早川みを子
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